NetFlixドラマあらすじ感想レビュー

Netflixネットフリックスで視聴可能なドラマ「ザ・サーペント」のあらすじ感想です。

1970年代、バンコク。若い旅行者に薬を飲ませて抵抗不能にし、金品を奪って殺害する手口で私腹を肥やしていたシャルル・ソブラジ。忠実な部下と恋人をうまく使い、偽造パスポートで海外にも手を広げていた。
一方、在タイ・オランダ大使館勤務の外交官クニッペンバーグはバンコクで行方不明となったオランダ人カップルが焼死体で見つかった事件を探っていくうちにソブラジの犯行だと確信を持つようになる。

The Serpent | Official Trailer | Netflix

感想

久々に見応えあるドラマで一気に見ました。文字通り朝から見始めて全部見てしまいました。
これ、まだ見ていない人はぜひ見てください!本当におすすめ、傑作です。ちなみにタイトルの「サーペント(serpent)」とは蛇、もしくは蛇みたいな人という意味のようです。

実話がベースとなっているだけあって作り物ではない、ソブラジの偏った世界観や非情さが引くほどキモい。冷酷で詐欺師なのは分かっていてもカリスマ性があるのでしょう、一定数は一度彼の毒牙にかかってしまうと自分に無理をしてでもソブラジに合わせてしまうようです。

恋人のマリーはそのうちの一人のようで、何度もソブラジの行動に疑問を持ちその人間性を恐れるものの、いつまでも彼から離れないのはなぜだ?操られて利用された気の毒な人なのかも。
ですが、今でもご健在で実在するクニッペンバーグさんはインタビューで、「彼女は逃げることができた。パスポートやお金がないから逃げられなかったというのは全く違う。毒が入った飲み物を人々に促していた」と言っています。ガーン。そうだったのか、マリー!


ソブラジは母親がベトナム人、父親がインド人で、父親亡き後にフランス人と再婚した母親とフランスに移ります。有色人種ということがとてもコンプレックスで、そういう時代だったことも彼の屈折した人物形成に影響を及ぼしているようです。

 

Netflix

 

主役のソブラジ役はタハール・ラヒム。このドラマ全てに言えますが、キャスティングがお見事なんです。タハールさんは登場した最初からものすごく胡散臭い感じ全開で、この役はこの人以外あり得ないでしょと誰もが納得してしまうでしょう。1970年代のスタイルもマッチしています。タハールさんの演技が凄いのか、演出がすごいのか。多分両方なんでしょう。

恋人マリー役はジェナ・コールマン。この方も役にぴったり。最終話エピソード8の最後に本人の写真が出てくるのですが、ジェナさんに似てるなと思いました。きれいどころから、ある種ソブラジに洗脳されて悪に染まっていく所、それでも葛藤したり、ソブラジのそばにいたいけど同時に震えるほどの恐怖を感じているところなど繊細な演技が光ってました。

外交官クニッペンバーグ役はビリー・ハウル。誠実な外交官という役がぴったりでした。クニッペンバーグさん本人もインタビューで本作品のビリーさんの演技は「ファンタスティク」と言っています。
この方と奥さん役のエリー・バンバーさんは役柄通りオランダ人だと思って見ていたのですが、ビリーさんもエリーさんもイギリス人でした。ヨーロッパ圏の方はそういった発音の違いとか微妙なところに気付くんだろうな〜。エリーさんはタイ語を話す役なので、ネイティブからタイ語を学んだそうです。
ソブラジがアメリカ人と話す時はアメリカ英語になるところとか、アクセントの違いでどこの出身とわかるとか、そういったのが判別できればもっと面白いのでしょうね。

ストーリーは過去と現在を行ったり来たりしますが、組み立て方がいいのでしょう、ごちゃ混ぜになることもなく混乱せず見られました。
時代設定が1970年代なのでちょっとあせた色感を出しつつ、また当時の本物のフィルムもうまく使って再現度も抜群です。
ファッションがとにかくおしゃれだなと思いました。男性の花柄シャツもかわいいし、色の合わせ方も独特でした。赤と水色とか、エメラルドグリーンと紫とか、パステルカラーも多用していて組み合わせが新鮮でした。

エピソード5は手に汗にぎる展開で、ついにソブラジ逮捕かとなります。近所の住民ナディーンが結構無茶をするのでハラハラ。でも8まであるのにもう逮捕?いえ、やっぱり一筋縄にはいきません。ソブラジは用意周到に周辺を固めているので、何があっても想定内でプランBがダメならプランCと抜け目がないんです!本物のサイコだよ…

正義の人クニッペンバーグは自身の身の危険を感じながらの独自の調査で犯人に迫っていきますが、相当なストレスなのでしょう、物音に驚いて妻に銃口を向けたり激昂したりと行動がおかしくなってきます。クニッペンバーグにしたら祖国から遠く離れた異国だし、タイの警察は動かないし、上司からも愛想を尽かされて協力してもらえないし、そりゃもう毎日が恐怖だったと思います。

1970年代といえばDNA鑑定なんかもないし、防犯カメラもなし、電話だって出先なら小銭を持って探さなければならないし、撮影した画像はすぐに確認できなし現像には時間がかかるしと、他にも今とは全く異なる環境の中での調査は困難を極めたことでしょう。この事件がなければ夫婦仲も壊れることがなかったのかも…
全力で殺人犯を追い詰めたクニッペンバーグさんがいなければ、この件は未解決としてさらに多数の被害者が出たであろうことを思えば、もっともっと評価されるべき人物なのは確か。


今までクニッペンバーグさんの名前もこの事件のことも知らなかったですが、勇気ある素晴らしい人格者のクニッペンバーグさん、本当にありがとう!

というわけで、追い詰められて捕まり、逃げ切ったかと思いきや自分から捕まりにいく謎の人物ソブラジとは一体何者なのか?ソブラジは現在カトマンズで服役中とのことです。

○クニッペンバーグさんのインタビュー↓

Where Is The Serpent's Herman Knippenberg Now? He Shares His Charles Sobhraj Story | Loose Women

時間の関係で途中で切られてしまいましたが、もっとじっくりと話が聞きたかったです。貴重な機会なんだからもっと時間を割いて欲しいわ。

近いうちにもう一度じっくり見てみようと思います。おすすめです!